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汎用のモニター付きヘッドレストに交換した物は車検対応でなければ、合格の可能性は低い!
純正改造ならば、なおさら不合格だそうだ!

保安基準第22条の4「頭部後傾抑止装置」の細目告示第3節第187条(2003.9.26改定)抜粋
1.
一. 他の自動車の追突等による衝撃を受けた場合において、当該自動車の乗車人員の頭部の過度の後傾を有効に防止する事のできるものであること。
二. 乗車人員の頭部等に障害を与えるおそれのない構造のものであること。
三. 頭部後傾抑止装置の後面部分は、衝突等による衝撃を受けた場合における当該頭部後傾抑止装置を備える座席の後方の乗車人員に過度の衝撃を与えるおそれの少ない構造であること。
四. 振動、衝撃により脱落することのないように備えられたものであること。

2. 次に掲げる頭部後傾抑止装置であって、その機能、乗車人員の頭部等に障害を与えるおそれのある損傷のないものは、前項各号に掲げる基準に適合するものとする。
一. 指定自動車等に備えられた頭部後傾抑止装置と同一の構造を有し、かつ、同一の位置に備えられた頭部後傾抑止装置 
二. 法第75条の2第1項の規定に基づく装置の指定を受けた頭部後傾抑止装置 
三. JIS D 4606「自動車乗車用ヘッドレストレイント」又はこれと同程度以上の規格に適合した頭部後傾抑止装置であって、的確に備えられたもの

保安基準は、安全を確保する為の基準である。この中の22条「ヘッドレスト」に関する保安基準は、乗員の安全を守るもの。ここで重要なのは、ヘッドレストの機能とその強度だ。

まずは後席に乗車する人員について考えてみよう!
後席に関する記述は第1項の三号だ。「三. 頭部後傾抑止装置の後面部分は、衝突等による衝撃を受けた場合における当該頭部後傾抑止装置を備える座席の後方の乗車人員に過度の衝撃を与えるおそれの少ない構造であること。」ここでキーになるのは「過度の衝撃を与えるおそれの少ない」だ。あまりに抽象的なのだ。「過度」をどれくらいのものとみるのか、その機会がどのくらいを少ないというのか。ここが検査員の解釈の違いによって合否が分かれるのだろう。また、後方からの強度については、JIS D 4606に規格されている。

JIS D 4606(抜粋)
5.1.3 動的試験 
(2)後方からの衝撃試験 後方からの衝撃試験は、次による。
(2.1)ヘッドフォームを用い、25+/-1 km/hの速度で、振子式・発射式・落下式などでヘッドレストレイントの後面に衝撃を加える。(2.2)衝撃点及び衝撃方向は、原則として次の通りとする。
(a)衝撃点は、座位中心面上で、図2に示すように、水平面と45度の角度をもつ直線が、ヘッドレストレイントの後面に接する点とする。
(b)衝撃方向は、座位中心面上で、水平面に対して45度とする。
ヘッドレストフォームとは、頭部に相当する直径165mmの半球状又は球状の剛体模型。動的試験用いるときはその有効質量を6.8kgとする。

この位置にモニターが無い事が望ましいだろう。

6.ヘッドレストモニター

ヘッドレストの性能は細かに規格されている!
次は前席の乗員に考えてみる。ヘッドレストとは保安基準の標題にある通り「頭部後傾抑制装置」だ。後部座席の乗員に関しては、このヘッドレストによって、大きな怪我をさせないようにとの事だったが、前席の乗員に対しては、追突時にムチウチなど、頭や首を傷めないために細かに規格されている。この性能を満足するために、第2項には、それが純正相当か、JIS D 4606と同等以上の機能である事となっている。
JIS D 4606は主に追突時のヘッドレストの移動量と強度についての機能が規格されているのだ。この規格はヘッドフォームを用いて静的試験(373Nmのモーメントが生じるように荷重をかける)・動的試験(25+/-1 km/hの速度で衝撃を加える)をした時にその移動量が102mm以下とし、ヘッドレストレイントには破損がないことなどや、890Nでシート、パネルが破損する前に破損又は脱落がないことなどが規格されている。
交換型のモニター埋め込み式のヘッドレストでは、この試験を行って評価し、証明をしなければならない。車検対応が明記されていないヘッドレストは、この規格を満足する評価はされていないものと考えてもいいだろう。故に車検に通る確立は低い。
ヘッドレストについては、第22条「頭部後傾抑制装置」だ。
これもだ!これも巷では「車検に通る」「通らない」と二つの意見、いや実際にあるらしい。果たして何故二つの結果があるのだろう?