"tm_house" Copyright, Tomo, 2008.
保安基準第3条「最低地上高」の細目告示第3節第163条(2003.9.26改定)抜粋
二. 普通自動車及び小型自動車(乗車定員11人以上の自動車、二輪の自動車を除く。)であって車両重量が2.8t以下のもの、もっぱら乗用の用に供する自動車(乗車定員11人以上の自動車、二輪の自動車を除く。)であって車両重量が2.8tを超えるもの及び軽自動車(二輪の自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車を除く。)であって、最低地上高が低くなるよう改造がされた自動車については、イの測定条件で測定した場合において、測定値がロの基準を満たす自動車

ここまでは、要するに「普通乗用車は次のイの測定方法でロを満たしなさい」と言っているのですね。

イ. 測定条件 地上高は、次の方法により求めるものとする。 
(1)測定する自動車は、空車状態とする。
(2)策定する自動車のタイヤ空気圧は、規定された値とする。
(3)車高調整装置が装着されている自動車にあっては、基準(中立)の位置とする。ただし、車高を任意の位置に保持することができる車高調整装置にあっては、車高が最低となる位置と車高が最高となる位置の中間の位置とする。
(4)測定する自動車を舗装された平面に置き、地上高を巻き尺等を用いて測定する。
(5)測定値は、1cm未満は切り捨てcm単位とする。

ロ. 測定値の判定 イにより求めた地上高は、(1)から(3)の基準をそれぞれ満足していること。ただし、自動車の接地部以外の部分と路面等が接地等した場合に、自動車の構造及び保安上重要な装置を保護するための機能を有するアンダーカバー等が装着されている構造のものにあっては、当該部位の地上高は次の(1)及び(2)の基準を満足していればよいものとする。 この場合において、上記ただし書の「衝撃に十分耐える構造」及び「アンダーガード等が装着されている構造」の自動車における当該構造を有する部位の地上高にあっては、(1)の数値は5cm以上と読み替えて適用する。 なお地上高を測定する際は、次に掲げる自動車の部分を除くものとする。

イの測定方法で、次の(1)から(3)を満たしなさい。と。アンダーガードは次の(1)の「9cm以上」を「5cm以上」と読み替えて(1)と(2)を満たせばいいんですね。で、気になるのはその後の「なお」。「地上高を測定する際は、次に掲げる自動車部品を除くものとする。」とあります!で、「次に掲げる」は、下の(a)から(c)。


  (a)タイヤと連動して上下するブレーキ・ドラムの下端、緩衝装置のうちのロア・アーム等の下端
  (b)自由度を有するゴム製の部品
  (c)マッド・ガード、エアダム・スカート、エア・カット・フラップ等であって樹脂製のもの

明記してありました!「地上高を測定する際は除いていい」=「測定しなくていい」部品の(c)に「エアダム・スカート、エア・カット・フラップ等」が!樹脂製なら測定しなくてOKです!

(1)自動車の地上高(全面)は、9cm以上であること。
(2)軸距間に位置する自動車の地上高は、次式により得られた値以上であること。
 H=Wb・1/2・sin2°20′+4
(3)前輪より自動車の前方又は後輪より自動車の後方に位置する自動車の地上高は、次式により得られた値以上であること。
 H=Ob・sin6°20′+2 
ただし、各記号の意味は次のとおりとする。

H:自動車の地上高(cm)
Wb:軸距(cm)多軸を有する自動車にあっては、隣接軸距のうち最大のものとする。
Ob:前軸(多軸を有する自動車にあっては、一番前方にある軸)から自動車の前方の地上高を測定しようとする位置と前軸の中心線との距離又は後軸(多軸を有する自動車にあっては、一番後ろ方にある軸)から後方の地上高を測定しようとする位置と後軸の中心線との距離(cm) 
なお、三角関数正弦の数値は、次の値を用いるものとする。
sin2°20′=0.04 
sin6°20′=0.11

さて、(1)までは解りやすい。では(2)、(3)は何を言っているのだろう?
(2)はホイールベース間の最低地上高だ。数式は一見面倒臭そうだけど、以外と簡単。ホイールベース間の寸法を2で割って0.04を掛けて4を足せばいい。
JZX100のホイールベース間の距離は2730mm。よって、

2730 ÷2 x 0.04 + 4 = 58.6mm



(3)は前オーバーハングと後オーバーハングに0.11を掛けて2を足すそうだ。残念ながらJZX100のオーバーハング寸法のデータがないので、正確な計算はできないが、フロント4対リア6くらいの割合で計算してみると、
(全長)-(ホイールベース) 4715mm - 2730mm = 1985mm
フロントオーバーハング 1985 x 0.4 = 794mm H=794 x 0.11 + 2 = 89.34
リアオーバーハング 1985 x 0.6 = 1191mmm H=1191 x 0.11 + 2 = 133.01mm

(1)では90mm
(2)では58.6mm
(3)ではフロント89mmとリア133mm

なぜ、3つの基準があるのだろう?
上記には
「自動車の構造及び保安上重要な装置を保護するための機能を有するアンダーカバー等が装着されている構造のものにあっては、当該部位の地上高は次の(1)及び(2)の基準を満足していればよいものとする。」とある。アンダガードがあったとしても(2)を満たす必要があるのだ。これは恐らく普通の車では90mmよりも小さい値になるだろう。(2)を逆に計算してみると、
(90-4)÷0.04x2=4300mm
すなわち、ホイールベースが4300mm以上になると、(2)の基準が最低地上高90mmを超え、全面90mmながら、ホイールベース間はそれより大きい基準となる。

個人的なまとめ

ほとんどの乗用車は最低地上高さ90mm以上!
(ホイールベースが4300mm以上の場合は、(2)の計算で得た数値がホイールベース間の最低地上高。)
アンダーガード装着車はアンダーガード部50mm以上!
アンダーガード非装着車でも、極端に前オーバーハングが長くない限り、たぶん平気。(前オーバーハング約800mmで最低地上高は90mm)

さあ、それでは気の遠くなるような保安基準を見てみましょう。

2.最低地上高
車高調整・バンパーリップ・サイドステップ

ご存知のように最低地上高は9cm以上!
ただし、アンダーガードは5cm以上!
アンダーガード非装着車はオーバーハングに注意!
リップやサイドステップは樹脂製なら規定なし!

車高ダウンやフルエアロ装着などをすると、最低地上高が気になる!さて、どのくらいの地上高ならば車検に通るのか!?